JPBM第27回全国統一研修会PartU第1・2部 報告
2012年7月20日(金)に第27回全国統一研修会PartUが福島県飯坂町「吉川屋」にて開催されました。
統一研修会PartU第1部では第16回全国提案力コンテストの参加全10チームによるプレゼンテーションが行われ、提案が競われました。
今回の提案力コンテストの課題として、小売業事業デューデリや債務超過解消等の課題を含んだ、より経営サイドに立った提案が要求され
厳正なる審査の後、入賞提案が決定され、授与式が開催されました。
第2部では、今回提示された事例問題に関して、課題の狙いやポイント、今後の実務上の留意点、また提案書作成時の着眼点や工夫等が
検討されました。
その後緊急研修として、今回の提案力コンテストの出題者でもある中小企業再生支援全国本部 野田勝也氏、岸本昌吾氏のお2人に講師と
しておいで頂き、課題の持つ背景を踏まえ、金融円滑化法以降を見越した専門家としての支援をどう進めていくべきか、講演されました。

統一研修会PartU 第16回全国提案力コンテスト
第1部「課題に対する提案プレゼンテーション」(抜粋)




第16回全国提案力コンテスト問題「小売業に向けた経営改善計画骨子策定」

 入賞
【金賞】株式会社青木会計
【銀賞】河合&MAC税理士法人
【銅賞】新経営サービス清水税理士法人

第2部 「全国提案力コンテスト事例のポイント」(抜粋)
審査委員長  JPBM会員 弁護士 志田 康雄氏(副理事長)
審査委員   JPBM会員 税理士 深山 暁氏(理事)
審査委員   中小企業再生支援全国本部 岸本 昌吾氏
審査委員   中小企業再生支援全国本部 野田 勝也氏



【志田委員長】
問題自体の難解さはそんなにはなかったのではないか。ただし、業界や地域特性を踏まえた実現可能性の高い計画を作ることが
大きなポイントであり、再生時の事業の収益性を持って債務の弁済を行えるような事例にチャレンジしてもらったことは意義が
あることだと思う。また財務の再構築に向け債務超過の解消、手法としてDDSの活用、事業承継問題における遺留分の取り扱いが
課題になった。 

【深山委員】
新聞報道によると、2012年3月の段階でリスケ申込みが30万〜40万社で151万件、不良債権額が51兆2000億円だそうだ。
メガバンクの対応は資本の回収とオフバランス化が中心となる。地銀、信金は自力再生を目指すことが基本。
お客様の事例で、廃業を決めた段階で会社の株価を計算すると、とても高い。不動産売却と併せて多額の税金が発生する。
タックスプランニングを検討しながらの廃業になる。収益性の低い企業の再生は難しい。その部分の計画を金融機関の理解を
イメージしながらコンテストに望んで欲しかった。今回の作品は全体的に短時間でよく仕上げてきたなあと思っている。

◎入賞者からのコメント
【金賞:叶ツ木会計】
どのように進めたらいいかで苦労した。地元のスーパーということで、どうしたら続けていけるかを念頭において作成した。
DDS、債権放棄等様々な手法があるが、実現可能性の見極めができなかったことが悔いが残る。

【銀賞:河合&MAC税理士法人】
メガバンクの円滑化法以降の出方が気になった。格付けを上げてリスケ対応できるよう考えた。
債務超過が大きく、金融機関への説得ができるかどうか自信のないところではある。

【銅賞:新経営サービス清水税理士法人】
問題の数が多かったので、全体の課題の本質がどこにあるのかをまず考えて進めていった。
事業承継はシンプルな形を目指した。除外合意は実現に難があるので割愛した。
全株の移転ができないので心苦しいが、まずはもめないことを意識して作った。


PartU緊急研修「金融円滑化法の出口戦略と求められる専門家支援」(抜粋)
中小企業再生支援全国本部 統括プロジェクトマネージャー 野田勝也氏
事業デューデリジェンス担当 プロジェクトマネージャー  岸本昌吾氏



【岸本】
“金融円滑化法の出口”といった言葉が流行語化しているようだが、現在現場で何が困っているか。地銀や信金が一人10〜20件抱え、
企業をどうしていくか悩みを抱えている。いよいよ金融庁も円滑化法以降の支援をしっかりしていく企業とそうではない企業と色分け
しなさいといった方向付けをしている模様だ。その際事業の見通しの判断が難しい。金融支援というのは金融機関が合意すればやって
いけるが、本業の見極めをどう対処していくか、その辺のセカンドオピニオンを求めているのが現状だろう。その際士業の知恵をお借り
することになる。今回の事例は地元スーパーで、基本は「仕入れて売る」、また商材もほとんど一般的なケース。その企業が改善して
いけるかどうか、設問にヒントをちりばめて、みなさんに検討していただいた。以下設問に沿って検討してみる。



【野田】
今回の<設問6>において、金融支援手法を取り上げている。1億5千万円以上を資本性借入金(DDS)に振り替えて、資本性の要件を
満たしていれば、金融検査上資本としてみなされることになり、債務超過解消要因となる。当該信金が今後借入を続けるためには
不良債権のままでは難しい、引当金の考えから要注意先以上に上げようということ。金融検査マニュアル監督指針等見ながら、
債務超過解消10年以内に向けた提案となる。
借入金と保全額、非保全額をしっかり分けてどんな支援を要請しようか検討する。原則DDSの場合は債権放棄に近いということで、
原則非保全プロラタ、信用部分の均等割りが基本的なスタートの考え方となる。リスケジュールの場合は、残高プロラタが一般的だが、
私的整理なのでそれぞれの関与度合いによって要請の違いもでてくる。

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